タッチ続編で上杉達也がメジャー挑戦?その後の真相とMixを解明

タッチ続編で上杉達也がメジャー挑戦?その後の真相とMixを解明

タッチ続編で上杉達也がメジャー挑戦?その後の真相とMixを解明の具体的な内容に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

なぜネット上では、マイナーリーグのエメラルズというマイナーな球団名ではなく「メジャーリーグ」というキーワードがこれほど強固に結びついたのでしょうか。そこには2つの構造的要因が存在します。

1つ目は、1990年代後半から2000年代初頭にかけての野茂英雄やイチローらの大活躍による日本社会全体の「大リーグブーム」です。『CROSS ROAD』が放送された2001年は、イチローがシアトル・マリナーズでMVPと新人王を同時受賞した歴史的な年でした。「野球選手がアメリカに挑戦する=メジャー」という短絡的なパブリックイメージが、アニメのマイナー挑戦という設定を上書きしてしまったのです。

2つ目は、満田拓也の人気野球漫画『MAJOR(メジャー)』の主人公・茂野吾郎との混同です。茂野吾郎は高校卒業後、日本のプロ野球を経ずに単身渡米し、過酷なマイナーリーグから這い上がってメジャーの頂点へと上り詰めました。「怪我を恐れず速球を投げ込む孤高のサウスポー(右投げから転向)」である吾郎の軌跡と、「和也の影を背負いながら唸る剛速球を投げた」達也の姿が、ファンの記憶の引き出しの中で交錯した結果といえます。

しかし、両者の野球観は根本的に異なります。茂野吾郎にとって野球は「己の生命そのもの」であり、命を削ってでも投げ続ける対象でした。対して上杉達也にとっての野球は、どこまでいっても「和也の夢を叶え、浅倉南を甲子園に連れて行くための手段」でした。アメリカに渡ったアニメ版の達也も、名声や富を求めたのではなく、「和也の代わりではない、自分自身の野球とは何か」を探すための旅路だったのです。

佐々木 一輝
著者

佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。