多発筋痛症の明確な発症メカニズムは現在も研究段階にありますが、「加齢に伴う免疫システムの乱れ(免疫老化)」を基盤として、精神的・肉体的ストレス、ウイルス感染、寒冷刺激などが引き金となって発症する自己免疫的・自己炎症的病態と考えられています。
診断においては、日本リウマチ学会や欧州リウマチ学会(EULAR)/米国リウマチ学会(ACR)の国際分類基準が用いられます。診断を確定する単一のマーカーは存在しないため、除外診断と臨床所見の組み合わせが不可欠です。
診断における主な検査項目
- 血液検査(炎症マーカー):CRP(C反応性蛋白)の著明な上昇および赤沈(赤血球沈降速度)の亢進。通常、CRPが数mg/dL〜10mg/dL以上に達することも珍しくありません。
- 自己抗体検査:リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体、抗核抗体などは通常「陰性」を示します(他の膠原病を除外するため)。
- 筋原性酵素(CK/CPK):筋炎(多発性筋炎など)と異なり、筋肉自体が破壊されるわけではないため「正常値」を維持します。
- 超音波・MRI検査:肩峰下滑液包炎や転子下滑液包炎など、関節周囲の滑液包における炎症を確認します。
「原因不明の激痛で整形外科や内科を転々とした」という事態を避けるためにも、膠原病内科(またはリウマチ科)を速やかに受診することが最短の確定診断につながります。