時代を遡れば、西成の歴史は歴史的な釜ヶ崎暴動とともに刻まれてきた。その中心に鎮座するのが西成労働福祉センターだ。早朝、まだ周囲が暗い時間帯から、仕事を求める男たちが吸い寄せられるように集まってくる。かつては手配師の威勢のいい声が飛び交い、熱気と殺気が渦巻いていた場所だ。
しかし、現在の街の景色は様変わりした。高齢化が進み、静けさが街を覆う。だが、足元に漂う生きづらさは変わっていない。かつての暴動を生み出した社会的孤立と貧困は、形を変えて今も労働者たちを縛り付けている。日雇い労働という構造的な不安定さのなかで、彼らは常に社会の周縁へと追いやられてきたのだ。