自閉症に特有の顔つきはあるのか?医学的根拠とネットの噂を徹底検証

自閉症に特有の顔つきはあるのか?医学的根拠とネットの噂を徹底検証

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ネット上の言説で最も頻繁に混同されているのが、ダウン症と自閉症の顔つきの違いです。知的障害や発達の遅れを伴うことがある点から両者を同一視する声が散見されますが、医学的な発症機序と外見への影響は全く異なります。

ダウン症(21トリソミー)は、21番染色体が通常より1本多いことによって生じる染色体異常です。この染色体の数的変異は骨形成や軟骨の発達に直接影響を及ぼすため、特有の身体的徴候(蒙古ひだ、目尻の吊り上がり、平坦な鼻根部、低耳位など)が高頻度で現れます。これに対し、ASDは複数の遺伝的要因と環境要因が複雑に絡み合う脳機能の発達特性であり、特定の骨格形成異常を誘発する疾患ではありません。

項目自閉スペクトラム症(ASD)ダウン症(21トリソミー)編集部の見解・評価医学的原因中枢神経系の情報処理・シナプス形成に関わる複合的要因第21染色体のトリソミー(染色体異常)根本的な病態水準が異なり、同一視は医学的誤謬解剖学的顔貌定型発達者と差なし(固有の骨格異常は存在しない)骨形成異常に伴う特有の顔貌(内眼角贅皮、平坦な鼻梁等)「顔立ちでわかる」という噂はダウン症の知見との混同顔に現れる特徴視線の合いにくさ、表情表出のタイミングや硬さ(動的特性)骨格・形態上の特徴(静的特性)自閉症の違和感は「形」ではなく「動き」に起因する診断の確定手法問診・行動観察・発達歴評価(ADOS-2、ADI-R等)染色体Gバンド分染法等の遺伝学的検査ASDは外見ではなく行動と生育歴の綿密な精査が必須

このように、顔の骨格や形態そのものに特徴が生じるダウン症とは異なり、自閉症において他者が違和感を覚える要素は、後述する視線の動きや表情の運用といった機能的な側面に集約されます。

山田 真由
著者

山田 真由

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