トラック&フィールドの現場において、フォトグラファーが対峙するのは「時間」そのものだ。100メートル走であればわずか10秒台、走高跳であれば踏み切りの数ミリ秒。ワールドアスレティックス(世界陸連)が公認する国際大会の舞台裏では、最新のハイスピードカメラと超望遠レンズを構えたカメラマンたちが、肉眼では捉えきれない肉体の躍動を追う。
質の高いスポーツ報道写真には、勝者の歓喜だけでなく、敗者の悔し涙、コーチと抱き合う安堵の瞬間までもが凝縮される。競技場の照明に照らされ、飛び散る汗の粒までもが高解像度で描き出されるとき、観客はスタジアムの熱気をダイレクトに体感することになる。