冬の空調費用をコントロールするうえで、エアコン暖房の設定温度目安をどこに置くかは家計の生命線です。資源エネルギー庁の試算によると、暖房の設定温度を21度から20度へわずか「1度」引き下げるだけで、消費電力を約10%削減できるとされています。夏場の冷房(1度上げて約13%削減)に比べて冬場の節電効果が注目される背景には、外気温と設定温度の温度差の大きさにあります。
たとえば、冬の東京で外気温が4度のとき、室内を22度まで引き上げるには「18度差」の熱エネルギーを生み出す必要があります。これは夏場(外気35度から室内28度への「7度差」)の2倍以上の負荷をコンプレッサーに強いる計算になります。無駄な高め設定は、ダイレクトに電気料金へと跳ね返ってきます。
では、具体的に何度に設定し、どのような運転状態を選ぶべきなのか。稼働パターン別のコストと快適性を整理した比較データは以下の通りです。
また、多くの利用者が悩むのが「外出時のこまめな電源オフ」と「つけっぱなし」の判断基準です。エアコン暖房つけっぱなしの電気代を検証した大手空調機器メーカーの実証実験によれば、冬場は「30〜40分程度の短時間の外出であれば、つけっぱなしの方が電気代が安い」という結果が示されています。
エアコンが最も電力を消費するのは、冷え切った部屋を急速に暖めようとフルパワーで稼働する最初の十数分間です。頻繁にスイッチを切って室温を外気近くまで冷え込ませてしまうと、再起動のたびに莫大な電力を消費します。逆に、一度部屋が暖まりきった後の「安定運転」時における消費電力はごくわずかです。外出時間に応じたオンオフの切り分けが、即効性のあるエアコン暖房の電気代節約術になります。