岩手県立美術館の根幹を支えているのは、日本の近代洋画および彫刻史において革命的な役割を果たした作家たちの圧倒的な収蔵品です。一般的な地方美術館の場合、常設展の規模が小さく企画展頼みになりがちですが、当館における岩手県立美術館 所蔵品展(コレクション展)の充実度は国内の国立美術館にも引けを取りません。
展示室は作家ごとに独立した空間が割り当てられており、それぞれの画業と思想の深淵に対峙できる構成になっています。
第一に注目すべきは、大正期のアヴァンギャルドを牽引した岩手県立美術館 萬鉄五郎(花巻市出身)の展示室です。フォーヴィスム(野獣派)やキュビスム(立体派)を独自に昇華させた強烈な色彩とダイナミックな筆致は、観る者を圧倒します。油彩画だけでなく、晩年に傾倒した南画(水墨画)の秀作も網羅されており、日本絵画の近代化に挑んだ孤高の軌跡を一望できます。
第二に、戦前・戦中の暗い時代に都市の風景や静謐な人間像を描き続けた岩手県立美術館 松本竣介(盛岡市育ち)のコレクションです。独特の青と茶褐色のトーン、繊細な線描で構築された代表作群は、当時の特番インタビューや手記研究でも「静かなる抵抗の祈り」と評されてきました。竣介の透明感ある都市風景の前に立つと、多くの来館者が足を止め、思わず息を呑む静寂に包まれます。
第三の柱が、戦後彫刻界を代表する巨匠・岩手県立美術館 舟越保武(一戸町出身)の彫刻展示室です。『原の城』や『ダミアン神父』に代表されるブロンズ・大理石像は、深い宗教的祈りと人間の尊厳を湛えています。大理石の滑らかな質感と光の陰影が生み出す凛とした佇まいは、空間全体に厳粛な空気をもたらしています。
さらに、舟越保武の長男であり現代木彫界の第一人者である舟越桂の作品など、近現代を繋ぐ郷土作家の秀作も継続的に展示されています。岩手県立美術館 2026年最新スケジュールにおいても、季節ごとに展示替えが行われる所蔵品展と、国内外の意欲的なテーマを扱う岩手県立美術館 企画展が絶妙なバランスで企画されており、年間を通じて訪れる価値があります。