マンションや戸建て住宅のベランダで黒い蜂を見かける頻度が高いのはなぜだろうか。2024年から2026年にかけての都市部における住環境調査でも、高層階のベランダへの飛来相談が目立っている。黒い蜂がベランダに来る理由は、主に以下の3点に集約される。
第一に「日当たりと営巣環境の良さ」だ。雨風がしのげるベランダの軒下、エアコン室外機の裏、物置の隙間は、単独行動をする蜂にとって理想的なシェルターとなる。第二に「植物や土の存在」である。プランターの土はクロアナバチやドロバチにとって巣作りの材料になり、ガーデニングの花蜜はクマバチのエネルギー源となる。第三に「洗濯物の隙間」だ。暗くて温かい空間を好むため、取り込む前のバスタオルやシーツの内側に潜り込んでしまうケースがある。
万が一、自宅周辺に住み着いている気配がある場合、黒い蜂の巣の見つけ方と駆除には種類ごとの見極めが必要になる。
ドロバチの巣は、外壁やサッシの隅に作られた「泥の塊」として発見される。中に青虫と卵が入っているが、巣全体が数センチ程度と小さく、成虫が巣を守るために群れで襲ってくることはない。駆除する場合は、成虫が留守のタイミングを見計らい、マイナスドライバーやヘラで削り落とすだけで完了する。
注意を要するのはクマバチの巣だ。クマバチは木材に強力な大あごで直径1〜1.5センチ程度の真円の穴を垂直に掘り進め、内部でトンネル状に営巣する。木造住宅の垂木(たるき)やウッドデッキ、木製フェンスに定期的に木くず(フラス)が落ちている場合、穴の中でクマバチが営巣している可能性が高い。木造建築の構造耐力を低下させる恐れがあるため、見つけ次第、穴の中にノズル付きの殺虫スプレーを噴射し、木工用パテやコーキング剤で穴を完全に埋め戻す処置が必要となる。