各金融機関が預金金利の引き上げを競う現在、鹿児島信用金庫が打ち出した定期預金および貸付金利の改定は、他行の動きとは一線を画す。一見すると市場金利に追従した標準的な見直しに映るが、その実態は地元企業と個人顧客を強力につなぎ留めるための綿密な戦略設計だ。
とりわけ注目を集めているのが、鹿児島県内の成長産業や脱炭素推進企業へ向けた特別優遇レートの融資プログラムである。設備投資に対する金利優遇幅は地銀のプロパー融資と比較しても遜色なく、審査プロセスの迅速化や担保依存からの脱却といった条件緩和が組み込まれている。知らぬまま従来の融資を継続している経営者にとっては、借り換えや新規資金調達の機会損失になりかねないほどの差が生まれている。