「恋のAbc」の本当の意味とは?キスからD以降の真相と現代の恋愛観

「恋のAbc」の本当の意味とは?キスからD以降の真相と現代の恋愛観

「恋のAbc」の本当の意味とは?キスからD以降の真相と現代の恋愛観について見逃せない ポイントを厳選して解説いたします。

この表現がいつ、どこから誕生したのかについては、複数の文化史的要因が絡み合っています。ルーツを遡ると、昭和30年代(1950年代半ば)の週刊誌ブームとアメリカ文化の急速な流入に突き当たります。

戦後、米軍基地周辺や翻訳小説を通じて「基本事項」「初歩」を意味する英語表現「ABC(The ABCs of...)」が日本に定着しました。これと同時期、大衆週刊誌や実話誌が急速に部数を伸ばし、若者の性風俗をセンセーショナルに報じる企画が頻発します。その過程で、直接的な性描写を避けつつ読者の関心を引くキャッチコピーとして、性行動のステップをA・B・Cと符号化する手法が編み出されました。

元ネタの決定打となったのは、昭和30年代後半から40年代にかけて制作された日活などの青春歌謡映画や、当時のヒット曲の歌詞、さらにはラジオの深夜放送です。深夜番組のパーソナリティがリスナーからの恋愛相談をさばく際に「君は今、Bの段階だね」といったやりとりを繰り広げたことで、全国の学生層に一気に浸透しました。露骨な表現を避け、モダンで少し背伸びしたアルファベットを使うことが、当時のハイカラな若者たちの美学に合致したといえます。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。