アニメ公開から歳月が流れた現在、当時のメインキャスト陣はどのようなキャリアを歩んでいるのでしょうか。関係各所の取材データや公式プロフィールを基に、彼らの現在地を追いました。
遠野貴樹役:水橋研二(みずはし けんじ)
主人公・遠野貴樹の物憂げで透明感あふれるモノローグを担当した水橋研二は、1999年の主演映画『月光の囁き』で鮮烈なデビューを飾り、キネマ旬報新人男優賞など数々の賞を受賞した日本映画界屈指の実力派バイプレイヤーです。
声優専業ではない彼だからこそ出せる、抑揚を抑えながらも心のひだを震わせるような生々しい声のトーンは、新海作品の叙情詩的リアリズムの土台となりました。水橋研二の現在は、映画、テレビドラマ、舞台において欠かせない重鎮バイプレイヤーとして精力的に活動を続けており、重厚な人間ドラマからサスペンスまで幅広い役柄で確固たる存在感を放っています。
篠原明里役(少女期):近藤好美(こんどう よしみ)
第1話「桜花抄」で、貴樹と心を通わせながらも親の転勤によって栃木へと引き裂かれていく少女期の明里を演じた近藤好美。彼女の飾り気のない可憐な演技と、雪の岩舟駅で貴樹を待つ震える声は、観客の涙を誘いました。モデルやタレント、女優として活動したのち、表現者としての足跡を本作に深く刻み込みました。
篠原明里役(成人期):尾上綾華(おのうえ あやか)
第3話で、貴樹とは別の人生を歩み、別の男性との婚約を控えた大人の明里を演じたのが尾上綾華です。ファッション誌の専属モデルとしてトップクラスの人気を博しつつ、女優としても活躍。かつて貴樹と交わした手紙の記憶を穏やかに振り返る落ち着いたトーンは、残酷なまでの「時間の不可逆性」を見事に表現しました。
澄田花苗役:花村怜美(はなむら さとみ)
第2話「コスモナウト」で、種子島に転校してきた貴樹に叶わぬ片思いをし続ける女子高生・澄田花苗を演じた花村怜美。声優ユニットや舞台での活動経験を持ち、貴樹の背中をただ追い続ける花苗の切実な息遣いや、ラストで涙を流す感情の爆発を熱演しました。現在も声優・女優として、アニメや吹き替え、ナレーションの分野で安定した実力を発揮しています。