コストを浮かせようと不織布マスクを洗うことによる性能低下は、科学的にも実証されています。水や洗剤に浸すことで繊維の配列が崩れるだけでなく、微粒子を捕集する最大の要である帯電フィルターの静電気が消失し、マスクのフィルター効果の寿命は一気に尽きてしまいます。
また、除菌目的でマスクの消毒にエタノールスプレーを使用する行為も厳禁です。アルコールは不織布の樹脂素材や撥水コーティングを変質させ、繊維の隙間を広げてしまいます。実験データにおいても、アルコールを噴霧した不織布マスクは、微粒子遮断効率(PFE)が著しく低下することが確認されています。
さらに見逃せないのが、不織布マスクの再利用に伴う衛生面の危険性です。呼吸によってマスク内部は高温多湿になり、吐息に含まれる唾液や皮膚の常在菌、皮脂が付着します。見た目には汚れていなくても、一度外して放置したマスクの内側では短時間で細菌が繁殖し、肌荒れや悪臭、二次感染の引き金になりかねません。