生クリームとカスタード、スポンジ生地で埋め尽くされた従来型のパフェは姿を消しつつある。現在のトレンドを象徴するのは、桃の繊細な香りを極限まで引き立てる「引き算と異素材の融合」だ。タイムやレモンバーベナといったフレッシュハーブのジュレ、あるいは和紅茶や烏龍茶の微かな苦みを効かせたグラニテが、桃の糖度と見事な対比を描き出す。
さらに今年、意欲的なパティシエたちが取り入れているのが「発酵」の要素だ。乳酸発酵させた桃のピュレや、自家製発酵バターを用いたクランブルが、重層的な奥行きをグラスに与える。ひとくち目から最後のひとすくいまで、甘さに飽きることがない。一口ごとに変化する風味のグラデーションは、緻密に計算された交響曲のようだ。