籾山八幡社の最大の魅力は、境内全体が神域としての生命力に満ちあふれている点にあります。鳥居をくぐり参道に足を踏み入れた瞬間から、外の世界とは明らかに異なる冷涼で澄んだ空気に包まれます。
参道を進むと現れるのが、竹田市の指定天然記念物にも登録されている「籾山神社の杉並木」です。苔むした情緒ある石段を挟み込むように、幹回り約4.8m〜5.8m、樹高数十メートルに達する堂々たる大杉が8本並び立っています。数百年の風雪を耐え抜いた杉の巨幹は、まるで神殿の円柱のように参拝者を厳かに迎え入れます。
さらに石段を上がり境内奥へ進むと、大分県指定天然記念物である「籾山神社の大ケヤキ」が圧倒的な存在感を放ちます。樹齢は推定800年以上とも言われ、四方に力強く張り出した大枝と複雑に入り組んだ根元の造形は、まさに自然の生み出した彫刻です。すぐ近くには市指定天然記念物の「二又ケヤキ」も自生しており、巨木愛好家や樹木写真家からも極めて高い評価を得ています。
また、例年2月下旬から3月中旬にかけては、境内の斜面に「春を告げる花」として親しまれる福寿草(フクジュソウ)が可憐な黄色い花を咲かせます。厳しい寒さを乗り越えて芽吹く黄金色の花々は、悠久の大木とともに訪れる人々に春の訪れと活力をもたらしてくれます。