大災害や未曾有の危機を乗り越えて走り続ける三陸鉄道の軌跡には、地域鉄道が果たすべき本質的な価値が凝縮されている。東日本大震災で線路が寸断されながらも、驚異的なスピードで復旧を果たした同社は、地域住民にとって単なる交通機関を超えた「希望の象徴」となった。
現在では全国の事業者が加盟する第三セクター鉄道等協議会とも緊密に連携し、災害時の代替ルート確保や「鉄印帳」をはじめとする共同プロモーションの推進など、全国規模での集客ネットワークづくりを先導している。貨客混載事業による地域特産品の輸送や、医療機関・商業施設との運行ダイヤ連携など、生活の動線に深く根ざした事業展開は、全国の赤字路線が生き残るための貴重な教科書となっている。