人間の血管の長さは地球2周半!10万キロの真相と血管若返り術

人間の血管の長さは地球2周半!10万キロの真相と血管若返り術

人間の血管の長さは地球2周半!10万キロの真相と血管若返り術の全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。

血管の健康を左右する中枢として、医学研究者が最も注視しているのが血管内皮細胞の働きです。血管の最内層に敷き詰められたこの薄い細胞シートは、単なる血液の通り道ではなく、全身の循環動態を緻密にコントロールする巨大な内分泌器官としての性質を備えています。

血管内皮細胞の最も重要なミッションは、一酸化窒素(NO: Nitric Oxide)の産生です。適度な運動や入浴などによって血流が加速すると、血液と血管内壁との間に生じる摩擦応力(ずり応力)が刺激となり、内皮細胞内でNO合成酵素が活性化されます。生み出されたNOは血管壁の中膜にある平滑筋に瞬時に作用し、緊張をほぐして血管を柔軟に拡張させます。

NOが十分に分泌されている血管は弾力性に富み、血圧の急激な上昇を吸収して動脈硬化を防ぎます。ところが、運動不足や喫煙、過剰な活性酸素によって内皮細胞がダメージを受けると、NOの産生能力が劇的に低下します。血管はしなやかさを失って硬直化し、末梢への血流分配能力も阻害されるという悪循環に陥るのです。血管年齢の若返りを科学的に紐解く鍵は、まさにこの「内皮細胞を刺激してNOをコンスタントに放出させる力」の再生にあります。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。