内側側副靭帯損傷は歩ける?全治期間と手術基準・後遺症リスク徹底解説

内側側副靭帯損傷は歩ける?全治期間と手術基準・後遺症リスク徹底解説

内側側副靭帯損傷は歩ける?全治期間と手術基準・後遺症リスク徹底解説についての真相を徹底解説します。

臨床現場において、スポーツドクターやアスレティックトレーナーが最も警戒するのが「受傷直後に自力歩行が可能だった」という患者の証言です。膝関節の前後の揺れを止める前十字靭帯(ACL)とは異なり、内側側副靭帯は主に膝が内側へ折れ曲がる「外反(がいはん)ストレス」と回旋運動を制御しています。そのため、前後に足を振り出してまっすぐ体重を乗せるだけの直線歩行であれば、靭帯が深刻な損傷を負っていても歩行動作自体が成立してしまう構造的特徴があります。

膝内側側副靭帯断裂の症状として代表的なサインは、膝関節内側の局所的な圧痛、熱感、腫脹(腫れ)、そして荷重時に膝が内側にカクッと抜けるような「不安定感(ギビングウェイ)」です。受傷時に「ブツッ」「パチン」という断裂音(ポップ音)を感じる選手も少なくありません。関節包外に位置する靭帯であるため、完全断裂であっても前十字靭帯のように関節内が血液でパンパンに膨らむ「関節血症」が目立たない場合があり、これが怪我の過小評価を生む一因となっています。

受傷直後に軽視してプレーを続行したり、固定をせずに歩き回ったりすると、部分断裂にとどまっていた線維が完全に断裂し、靭帯の断端が離れたまま治癒してしまう「弛緩(しかん)治癒」を引き起こします。一度靭帯が緩んだ状態で瘢痕組織(傷跡の組織)が形成されると、自然に元の張力を取り戻すことは極めて困難です。歩行が可能であっても、膝内側に強い打撃や捻れが生じた直後は、直ちに体重をかけるのをやめ、局所の冷却と圧迫、挙上を行うことが鉄則です。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。