インターネット上には今なお「検索エンジンで検索すれば全巻無料で読めるサイトがある」という甘言が飛び交うことがあります。しかし、かつて社会問題となった「漫画村」をはじめとする違法海賊版サイトは、捜査当局による国際的な摘発、ISP(プロバイダ)によるブロッキング、そしてドメイン差し押さえによって完全に瓦解へと追い込まれました。
文化庁や一般社団法人ABJ(出版広報センター)の調査報告によると、違法海賊版サイト閉鎖と現在のネットの反応を検証した結果、違法サイト利用者の間でウイルス感染やフィッシング被害に遭った割合は極めて高い水準で推移しています。SNSや掲示板の書き込みでは「海賊版を開いた途端に端末が発熱し動作が重くなった」「勝手にマイニングスクリプトを実行されていた」「偽の警告画面からクレジットカード情報を盗み取られた」といった被害報告が後を絶ちません。
さらに法的なリスクも劇的に変化しました。著作権法改正により、違法にアップロードされた著作物であることを知りながらダウンロードする行為は、私的使用目的であっても刑事罰(2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方)の対象となっています。一時の「タダ読み」への好奇心と引き換えに背負うリスクは、個人のデジタル資産や実生活を破壊するほどに肥大化しています。