犬がチョコレートを口にしてから症状が出るまでの時間は、通常摂取後2〜4時間です。ただし、胃の内容物や個体の消化吸収能力によっては、6〜12時間経過してから突如として牙をむくケースも珍しくありません。
「食べてから1時間経ったけれどケロッとしているから大丈夫」と飼い主が自己判断し、就寝した深夜に急変して手遅れになる事故が多発しています。時間経過とともに進行する臨床兆候を正しく把握してください。
【第1段階:摂取後2〜4時間(初期兆候)】
胃腸粘膜への刺激と中枢興奮の初期反応として、激しい嘔吐、水様性の下痢、異常な多飲多尿が見られます。落ち着きなく部屋の中を歩き回り、ハアハアと激しい呼吸(パンティング)を繰り返します。
【第2段階:摂取後4〜12時間(循環器症状の悪化)】
テオブロミンが心筋細胞に過剰に作用し、心拍数が急上昇する頻脈(ひんみゃく)や不整脈が発生します。興奮状態が頂点に達し、筋肉の細かな震え(振戦)、ふらつき、触れられることに対する過敏反応が現れます。
【第3段階:摂取後12〜24時間以上(重篤・致死段階)】
高熱(高体温症)、硬直を伴う全身性の痙攣発作(てんかん様発作)、チアノーゼ(舌や歯茎が紫色になる)を起こし、最終的に不整脈による心停止や呼吸不全で命を落とします。