現在の福岡は、都市の景観が目まぐるしく変わる過渡期にある。超高層ビルが次々と立ち並び、最新鋭の設備を備えた外資系ホテルが続々と進出する中、旅のトレンドには明らかな揺り戻しが起きている。それは、巨大な箱物にはない「人の温もり」や「落ち着き」への回帰だ。
客室数を誇る巨大ホテルでは、チェックインからチェックアウトまでスマートフォンの画面越しで完結することも珍しくない。しかし、旅の醍醐味は効率性だけではないはずだ。ヨーロッパの古いアパルトマンを思わせるクラシカルな調度品や、スタッフとの心地よい距離感のコミュニケーション。それらが織りなすアットホームな空気感が、デジタル疲れした現代人の心を優しく解きほぐしていく。