『ウォーターボーイズ』が観客の心を掴んで離さない最大の要因は、劇中のシンクロナイズドスイミング演技に代役(スタント)やCGを一切使っていない点です。集められたキャスト陣の多くは泳ぎの基礎すら覚束ない状態からのスタートであり、課された特訓は想像を絶するものでした。
指導を担当したのは、日本屈指のシンクロコーチ陣。足がつかない深水プールでの立ち泳ぎ(巻き足)の習得から始まり、全身をプールの底に打ち付けるようなジャンプの反復練習が連日課されました。玉木宏さんも耳に水が入り中耳炎に悩まされながら、強烈な塩素で肌が荒れ果てるまでプールにしがみついたといいます。
クライマックスの文化祭シーンで見せる一糸乱れぬフォーメーションと、玉木宏さん演じる佐藤が笑顔で決めるリフト技の数々は、演技を超えた本物のスポーツドキュメンタリーそのものでした。