ファッションシーンの潮流を語るうえで、故ヴァージル・アブローが遺した功績を無視することはできない。彼が手掛けたハイブランドとストリートの融合は、ラグジュアリーの定義を根底から覆し、現在のメンズスタイリングにおける基礎を作った。その影響波はパリ・ファッション・ウィークのランウェイから世界中へ拡がり、伝統的なテーラリングに大胆なグラフィックやスポーティな要素をミックスする手法はいまや定番となっている。
一方で、国内に目を向けると東京コレクションを発信源とする日本のデザイナーたちも独自のアプローチを強めている。ハイエンドな美学とサブカルチャーの熱量を巧みに交錯させ、洗練されたストリートウェアを展開。機能性素材を用いたテックウェアとクラシックなウールコートをあわせるような、ハイブリッドな感性が街のリアルなトレンドを形作っている。