看板商品である「メルヴェイユ」は、フランス革命後の荒廃した社会に突如現れた、華美で洗練された文化を背景に持つ。当時の若者たちが繰り広げたサロン文化や、洗練を極めたライフスタイル。創業者フレデリック・ヴォーカンは、その歴史の残り香を現代の洋菓子として再構築してみせた。
土台となるメレンゲは、驚くほど軽やかだ。低温で時間をかけてじっくりと焼き上げられたメレンゲは、水分を一切感じさせないサクサクとした歯ざわりを見せるが、舌の上に載せた瞬間にすっと溶け去る。そこに加わる自家製生クリームのコク。濃厚でありながら、甘さは極限まで控えめだ。