「Smells Like Teen Spirit」歌詞和訳とタイトルの真相|ニルヴァーナ名曲解剖

「Smells Like Teen Spirit」歌詞和訳とタイトルの真相|ニルヴァーナ名曲解剖

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「Smells Like Teen Spirit」というタイトルは、一見すると「若者の精神の匂いがする」という青臭くも力強い反逆のスローガンに聞こえます。実際、当時の音楽メディアはこのフレーズを「ジェネレーションXの怒りを代弁する詩的なメタファー」と絶賛しました。しかし、このタイトル誕生の背景にある事実は、極めて日常的で滑稽なハプニングによるものでした。

事の発端は1990年、フェミニスト・パンクバンド「ビキニ・キル(Bikini Kill)」のリードシンガーであり、カート・コバーンの友人であったキャスリーン・ハンナが、カートのアパートの寝室の壁にスプレーで書き残したいたずら書きでした。彼女は壁に「Kurt Smells Like Teen Spirit(カートはティーンスピリットの匂いがする)」と殴り書きしたのです。

当時、カートの交際相手だった女性が愛用していたのが、メンネン社(Mennen)から発売されていたティーンエイジャー向けの女性用デオドラント商品「Teen Spirit」でした。キャスリーン・ハンナは「カートからガールフレンドのデオドラントの匂いがプンプンしている」という事実をからかう目的で落書きを残したに過ぎませんでした。ところが、自らデオドラント商品に疎かったカートはその事実を露知らず、「若者の革命的精神(Teen Spirit)の匂いが満ちている」という深遠な意味合いだと受け取り、そのまま楽曲のタイトルに採用してしまったと、後の公式インタビューや手記で明かされています。商業主義を誰よりも嫌悪していたカートが、知らぬ間に大手消費財のブランド名をロック史に残るアンセムの題名にしてしまったという皮肉は、彼自身が生涯背負い続けた運命の縮図とも言えます。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。