マッツ・ミケルセン(本名:マッツ・ディットマン・ミケルセン)は、1965年11月22日、デンマークの首都コペンハーゲン・オスターブロ地区で生まれました。父親はタクシー運転手兼銀行員、母親は看護師というごく普通の労働者階級の家庭で育ち、兄のラース・ミケルセンも後に国際的俳優として名を馳せることになります。
少年時代のマッツはエネルギーの塊であり、幼少期から器械体操に没頭していました。本人が海外メディアのインタビューで「子どもの頃はずっとバク転をしながら街を歩いているような少年だった」と回想している通り、約8年間にわたり本格的な体操選手として厳しい訓練を積んでいます。この時期に培われた強靭なインナーマッスルと空間把握能力が、のちの身体表現の強固な土台となりました。
青年期に入ると、身体表現の可能性をさらに広げるためダンスの世界へと転身します。スウェーデンの名門ヨーテボリ・バレエ・アカデミー(Balettakademien)で学び、プロのコンテンポラリーダンサーとして約10年間にわたり舞台活動を展開しました。舞台上で鍛え上げられた柔軟性とダイナミックなムーヴメントは、現在の立ち姿の美しさに直結しています。
そしてこのダンサー時代、1987年に出会ったのが、後に妻となる振付師のハンネ・ヤコブセン(Hanne Jacobsen)です。ダンスの現場で意気投合した二人は長年パートナーシップを育み、2000年に正式に結婚。2人の子ども(娘ヴィオラ、息子カール)に恵まれ、ハリウッドの狂騒に流されることなく、現在に至るまで極めて円満で堅実な家庭を築いています。
やがて「身体だけでなく、言葉とドラマを使って自分を表現したい」という強い衝動に駆られたマッツは、20代後半でデンマークの名門オーフス演劇学校(Aarhus Theatre School)に入学。1996年に30歳で卒業し、本格的な俳優としての道を歩み始めることになります。