近年の住宅設備における安全意識の高まりを受け、電気設備の技術基準や業界ガイドラインの厳格化が加速している。民間自主規格として電気工事の現場で広く参照される内線規程においても、水気や湿気のある場所に設置する特定機器へのアース設置は、かつての単なる「推奨」から実質的な義務化へと舵を切った。特にキッチン、洗面所、屋外、土ノ間といった環境では、接地端子付きコンセントの標準施工が当然の前提とされている。
経済産業省が管轄する電気用品安全法の枠組みにおいても、製品の安全確保だけでなく、ユーザーに対する安全な使用環境の周知徹底がメーカー側に要求されている。2026年現在の新築物件では全室へのアース端子設置が常識化しつつあるものの、問題は依然として既存のストック住宅だ。昭和末期から平成初期に建てられた賃貸マンションなどでは未だに単相100Vの2口コンセントのみというケースが目立ち、最新基準との乖離が社会的な課題として浮き彫りになっている。