島がつく都道府県は全5県!名前の由来と瞬時に覚える語呂合わせの真相

島がつく都道府県は全5県!名前の由来と瞬時に覚える語呂合わせの真相

島がつく都道府県は全5県!名前の由来と瞬時に覚える語呂合わせの真相の全体像を詳しく解説してご紹介します。

「島」という漢字は、海に浮かぶ孤島だけでなく、河川の中州、湿地帯に盛り上がった小高い土地、あるいは神聖な境界領域を指す言葉として古代から用いられてきました。各県の公式史料や郷土史料を紐解くと、それぞれが極めて合理的な理由からその名を冠したことが確認できます。

1. 福島県:戦国武将の改名と「島状の地形」にまつわる伝承

福島県の名称の起源には複数の学説が存在しますが、最も有力視されているのが文禄年間(1592年前後)の史実です。豊臣秀吉の家臣としてこの地を治めた木村吉清が、かつて「杉目(すぎのめ)城」と呼ばれていた居城を「福島城」へと改名した記録が残されています。

当時の武将は領地の安泰を願い、縁起の良い文字を重ねる「佳名(けいめい)思想」を強く好みました。一説には、阿武隈川の氾濫原において微高地を形成していた集落が「島」のように見えたこと、あるいは吾妻山から吹き下ろす風を防ぐ集落の地形から転じたとも語り継がれています。明治9年(1876年)の第2次府県統合により、若松県・磐前県・旧福島県が合体した際、県庁所在地となった福島町の名がそのまま県名へと引き継がれました。

2. 島根県:古代神話『出雲国風土記』に直結する国引きの痕跡

島根県は、全国で唯一「島」が先頭に置かれる県です。そのルーツは奈良時代初期に編纂された『出雲国風土記』にまで遡ります。風土記の冒頭を飾る「国引き神話」において、八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)が余った土地を引き寄せて縫い合わせた際、「嶋根(しまね)」と名付けたと記されています。

本来は松江市近郊の「島根郡」という極めて限定的な地域を指す地名でした。廃藩置県当初は松江県と称していましたが、明治4年(1871年)に県庁所在地を島根郡白潟村に移転したことを契機に「島根県」が誕生。旧国名である「出雲」や「石見」を採用せず、一地方の古代地名が県全体の冠となった特異な事例です。

3. 広島県:太田川デルタが広げた毛利輝元のメガプロジェクト

西日本屈指の大都市である広島県の名は、安土桃山時代の覇者・毛利輝元の築城計画に端を発します。天正17年(1589年)、輝元は要害山城であった吉田郡山城から、水上交通と兵站に優れた太田川河口のデルタ地帯への本拠地移転を決断しました。

当時、太田川が瀬戸内海へと注ぐ河口には土砂が堆積し、いくつもの大きな三角州(中洲)が形成されていました。この「広大な島々」が連なる地形そのものを表して「広島」と命名したという地形説と、毛利家の祖である「大江広元」の『広』と、水軍を率いた地元の名士・福島元長の『島』を組み合わせたという命名説が知られています。広大な平野を海上に拓いた都市の原風景が、県名に色濃く焼き付けられています。

4. 徳島県:吉野川の河口州に阿波踊りの祖が刻んだ吉祥の刻印

四国東部に位置する徳島県もまた、中世の築城と河川地形がダイレクトに結びついた名称です。天正13年(1585年)、豊臣秀吉の四国征伐で功を挙げた蜂須賀家政が阿波国に入封し、新たな拠点城郭の選定に入りました。

家政が城地として選んだのは、暴れ川「四国三郎」の異名を取る吉野川の河口付近、当時「渭津(いのつ)」と呼ばれていた地域でした。渭津の中にある瓢箪島(ひょうたんじま)をはじめとする中洲を見渡し、家政は「徳のある島」「将来にわたって繁栄が約束される島」という意味を込め、城および城下町を「徳島」と改めました。氾濫と戦いながら肥沃な土地を活かして藍作などで富を築いた阿波商人の歴史は、この「徳の島」から始まっています。

5. 鹿児島県:錦江湾と桜島を望む古代海民のネットワーク

九州最南端に位置する鹿児島県の語源には、雄大な火山活動と古代の海洋民俗が交差しています。中世以降、現在の鹿児島市にあたる地域が「鹿児島」と呼ばれていましたが、その元祖は錦江湾(鹿児島湾)に浮かぶ桜島を指していたという見解が有力です。

言語学者や民俗学者の現地調査資料によれば、「鹿児島」の語源には主に以下の3つの説が存在します。

  • 水夫(かこ)の島説:古代に舟を操る水夫(かこ)たちが集結した停泊地、船乗りたちが暮らす島を意味した。
  • 野生の鹿の子説:桜島には野生の鹿が多く生息し、子鹿が多く見られたことから「鹿の子島(かごのしま)」と呼んだ。
  • 崖・断崖(かこ)説:火山の噴火や侵食によって形成された切り立った崖や窪地を意味する古語「カコ」に由来する。

明治4年(1871年)の廃藩置県で薩摩藩が解体された際、藩庁が置かれていた鹿児島城(鶴丸城)の所在地名を採用して鹿児島県が成立しました。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。