ここでジャーナリスティックな視点から明確にしておくべき重大な事実があります。ネット上で広く利用されている「16Personalities」と、国際規格に基づく正式な「MBTI®」は、学術的・法的に全く異なる心理検査であるという点です。
一般に認知されている無料診断サイト「16Personalities」は、性格心理学の主流理論である「ビッグファイブ(Big Five)」の5因子理論をベースに、MBTIの4文字表記を便宜上借用して作られた別個のモデル(NERIS Type Explorer)です。テスト結果の末尾に「-A(自己主張型)」や「-T(乱気流型)」が付くのは同サイト独自の仕様です。
一方、一般社団法人日本MBTI協会などが管理する本物のMBTIは、ユングのタイプ論を基に認定資格者のフィードバックを受けながら自己理解を深めるプロセスそのものを指します。
ネット上の簡易診断には「回答時の精神状態や環境によって結果が容易に変わる」という流動性があります。それにもかかわらず、「私はINFPだから社交的な場には行けない」「あの人はESTJだから冷酷だ」と自他を型に押し込める行為は、心理学でいう「認知的狭窄(ものの見方が極端に狭まる状態)」を招きます。データはあくまで現時点での自己認識の傾向を示す鏡に過ぎません。