2026年の水10ドラマを語る上で欠かせないのが、社会現象ともなった「令和型ラブコメ」の進化だ。特にフジテレビの『わたしのお嫁くん』で波瑠が演じた速水穂香と、日本テレビの『こっち向いてよ向井くん』で赤楚衛二が演じた向井悟という2人の主人公は、視聴者の価値観に深く突き刺さるキャラクターとなった。
波瑠が見せた「仕事は完璧だが家事はズボラ」という等身大のヒロイン像は、従来のステレオタイプな女性像を爽快に打ち破った。一方、赤楚衛二が演じた10年恋をしていない30歳男子のリアルな葛藤は、SNS上で「向井くんの迷走が他人事に見えない」と共感と悶絶の声を集めた。恋愛コメディという枠組みを借りながらも、結婚観や自身の生き方に悩む現代人の本音を丁寧に描き出した点が、両作の大きな勝因と言えるだろう。