額の皮膚は皮脂腺が比較的多い一方で、皮下脂肪が非常に薄く、すぐ下には「前頭筋(ぜんとうきん)」という板状の筋肉が張り巡らされています。美容皮膚科医や形成外科の臨床現場において、おでこのシワは主に「乾燥小ジワ」「表情ジワ」「たるみジワ」「真皮に定着した刻みジワ」の4つに大別されます。自身がどの段階にあるかを正確に見極めることが、無駄な出費や遠回りを避ける第一歩です。
第1段階の「乾燥小ジワ」は、角層の水分保持機能が低下し、肌表面のキメが乱れることで生じる浅いちりめん状のシワです。この段階であれば徹底した角層保湿で目立たなくすることが可能です。しかし問題は、日常的な筋肉の収縮によって皮膚が折りたたまれる第2段階の「表情ジワ」以降です。
目を見開く、眉を上げる、上目遣いで画面を覗き込むといった日常の癖により、額の皮膚には毎日数千回もの折り目が刻まれます。若いうちは真皮内のコラーゲンやエラスチンがバネのように弾力を保っているため、表情を戻せば皮膚も平らになります。ところが、紫外線ダメージや加齢によって弾力線維が変性すると、折りたたまれた溝が戻らなくなり、真皮のコラーゲン線維束が物理的に断裂した「刻みジワ」へと進行してしまうのです。