アニメ展開においても、本作は極めて異例の構成を辿りました。2021年に放送されたTVアニメ第1期『ホリミヤ』(全13話)は、制作会社CloverWorksの圧倒的な作画クオリティと美しい演出で大ヒットを記録したものの、原作ファンからは「ストーリーを駆け足で消化しすぎている」という指摘が上がっていました。
第1期は堀と宮村の関係性の進展を最優先したため、コミックス全16巻分のメインプロットを1クールでまとめ上げ、最終回で卒業式までを描き切りました。その結果、友人グループ(石川透、吉川由紀、仙石翔、綾崎レミ、河野桜など)の秀逸なサブエピソードや、日常のギャグ回、修学旅行や体育祭のエピソードが大幅に削られる結果となったのです。
この反響を受け、2023年に制作・放送されたのが『ホリミヤ -piece-』です。前作の続編ではなく、「第1期でアニメ化されなかった原作の人気エピソードを時系列に沿って補完する」という前代未聞のスピンオフ的構成が取られました。
大手レビューサイトやSNS上では、「このピースが埋まったことで、ようやくアニメ版ホリミヤが完全体になった」「群像劇としての深みが格段に増した」と極めて高い評価を獲得しました。2026年現在においても、ABEMA、U-NEXT、dアニメストア、Netflixなどの主要動画配信サービスで両シリーズともに見放題配信が行われており、これから視聴する層には「第1期の該当エピソードの合間に-piece-を挟みながら観る」という贅沢な視聴スタイルが定着しています。