インターネット上で頻繁に検索されている「セパレート型廃止の噂」ですが、結論から言えば、セパレート型が一律に禁止・廃止されたわけではありません。公式発表資料や日本陸上競技連盟(JAAF)の規則を精査すると、真相は「セパレートの廃止」ではなく、「多様な形状を同等に認めるユニフォーム規定の規制緩和(選択肢の自由化)」です。
では、なぜ廃止されたと誤解されるほど急速に姿を消しつつあるのでしょうか。その引き金となったのが、アスリートをターゲットにした性的画像問題と経緯です。2020年以降、競技中の選手を性的な意図で望遠撮影し、アダルトサイトやSNSへ無断投稿する被害が相次ぎました。JOC(日本オリンピック委員会)や日本陸連が共同声明を発表し、2023年には「撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)」が施行されるなど法整備が進んだものの、競技場内での悪質な撮影を100%物理的に防ぐことは極めて困難でした。
無防備な露出を強いられる構造そのものを変えるため、日本陸連はガイドラインを改定。従来のセパレート型やランニングシャツ&パンツに加え、ショートタイツやオールインワン(ワンピース型)の着用を公式ルールとして正式に推進しました。「身を守るための自衛」と「精神的ストレスの除去」を求める選手側のニーズが合致した結果、セパレートからショートタイツへの大移動が一気に加速したのです。