時計の針を巻き戻すと、異変が起きたのは2019年1月のオーストラリア合宿でした。前年にアジア大会で6冠を達成し、破竹の勢いを見せていた池江選手でしたが、現地での水中練習中に「これまでに経験したことのない異常な疲労感」に襲われます。
普段なら難なくこなせる練習メニューで肩で激しく息をし、泳ぐたびに体が重く沈んでいく感覚。タイムも著しく落ち込み、トレーナー陣も首を傾げるほどの不調でした。当初はハードトレーニングによる蓄積疲労やすれ違いも疑われましたが、微熱やだるさが引かないことから、予定を切り上げて2019年2月初旬に緊急帰国。精密検査を受けた結果、告げられた病名が「白血病」でした。
そして2019年2月12日、自身の公式SNS(Twitter/X)で病名を公表。「私自身、未だに信じられず、混乱している状況です」と率直な胸中を綴った投稿は瞬く間に拡散され、日本中に大きな衝撃と祈りの声が広がりました。