風邪を引き起こしたウイルスそのものは体内の免疫によってすでに退治されているにもかかわらず、風邪の後に咳だけ残る状態に陥る人は非常に多く存在します。この現象の代表格が「感染後咳嗽(かんせんごがいそう)」です。
風邪ウイルスによって気道の粘膜が傷つくと、表面のバリア機能が一時的に破壊されます。その結果、普段は何でもない冷たい空気やホコリ、会話時の空気の振動といったわずかな刺激に対しても気道が過敏に反応し、激しい咳反射を引き起こしてしまうのです。
感染後咳嗽の治し方の基本は、「刺激の徹底的な遮断」と「気道粘膜の修復を待つこと」にあります。乾燥を防ぐための加湿器の使用やマスクの着用はもちろん、水分をこまめに摂取して喉の潤いを保つことが回復を早める近道です。通常は数週間から長くても8週間程度で自然におさまりますが、日常生活に支障が出るほど咳き込む場合は、気道の過敏性を抑える抗ヒスタミン薬や麦門冬湯(ばくもんどうとう)などの漢方薬が処方されるケースもあります。