事態が表面化したのは、都知事選の告示直後でした。都内各地に設置された選挙公営掲示板において、候補者・河合ゆうすけ氏のポスター枠に、下着すら身につけていないように見えるポーズで女性が横たわり、局部周辺をごく一部の文字や手で覆っただけのポスターが掲示されたことが発端です。この被写体となったのが、タレント・グラビアアイドルとして活動していた桜井miu(桜井MIU)氏でした。
掲示板が設置されている場所は、小学校の通学路や公園の目の前など、日常的に不特定多数の市民や未成年者が行き交う生活道路です。ポスターを目撃した地域住民から「子供に見せられない」「公序良俗に反している」といった通報や苦情が、東京都選挙管理委員会や警視庁に数千件規模で殺到しました。
これを受け、警視庁保安課は即座に動きました。掲示当日の夜、候補者陣営の関係者および関係先に対し、東京都迷惑防止条例(第5条1項3号:公衆の目に触れる場所で人を著しく羞恥させ、または人に不安を覚えさせるような卑わいな言動)に抵触する恐れがあるとして、口頭による正式な警告を行いました。公職選挙法に基づく取り締まりではなく、刑罰法規である迷惑防止条例の適用を視野に入れた警告が発出されたことは、日本の選挙史上でも極めて異例の対応でした。
警告を受けた陣営側は、違反と判断されたポスターの上から修正シールを貼るか、あるいは速やかにポスターを剥がす撤去作業に追われることとなりました。しかし、すでに撮影されたポスター画像はSNS上で拡散され、いわゆる「都知事選ほぼ全裸ポスター問題」として瞬く間に大炎上へと発展したのです。