かつては過酷な大雨の中で試合が強行され、5回が終了した時点で「降雨コールド」が告げられ、涙を呑む場面が幾度となく繰り返されてきた。土降るマウンドで立ち尽くし、不完全燃焼のまま大会を去った球児たちの姿は、昭和から平成にかけての高校野球の切ない風物詩でもあった。
だが、近年のルール改定によって全面的に定着した「継続試合(サスペンデッドゲーム)」制度が、その運命を一変させた。悪天候によって試合が中断した場合、翌日以降に中断したイニング・カウント・走者状況のまま再開されるようになり、天候の気まぐれによる不条理なコールド負けはほぼ姿を消した。コールドという言葉の意味は今、「一方的な打ち切り」から「公平性を保つための合理的な運用」へと大きな変化を遂げている。