新世界編における勢力図を塗り替えた一大事件が、新組織クロスギルド(CROSS GUILD)の誕生です。海軍が海賊に懸賞金をかける従来の構図を逆転させ、「海兵に懸賞金を懸けて狩る」という国家治安を根底から揺るがすシステムを構築したことで、世界政府は極限の危機感を抱くこととなりました。
海軍発行の手配書において、バギーには31億8900万ベリーという破格の懸賞金が設定されました。この数値は、ルフィやロー、キッドの30億ベリーを上回り、現四皇の一角として世界中に報道されています。しかし、この組織の設立裏話には、極めて滑稽でありながらも構造的な必然性が潜んでいました。
実態としては、王下七武海制度の撤廃によって海軍に追われていたクロコダイルが、同じく資金難に陥っていたバギーの派遣会社「バギーズデリバリー」へ貸付金の回収に訪れたことが発端です。返済能力のなかったバギーは、印刷・物流・宣伝といった自前のインフラをクロコダイルとミホークが立ち上げる新会社へ提供することで合意しました。
ところが、バギーを神と崇める部下たちが熱狂のあまり作成した宣伝ポスターで、バギーを中央に大きく配置し、ミホークとクロコダイルを従属幹部のようにデザインして世界へばら撒いてしまったのです。これを見た海軍本部は「あのミホークとクロコダイルを従える男=真の黒幕」と判断。クロコダイルとミホークもまた、「矢面に立つ標的(スケープゴート)」としてバギーを矢面に立たせる策を選択したことで、図らずも四皇・道化のバギーが誕生することとなりました。