ネット上の口コミサイトや保護者コミュニティでは、平塚中等に対して賞賛の声が集まる一方で、公立進学校ならではの課題を指摘する声も少なくありません。現場の取材と保護者・在校生の証言から、そのリアルな実態を浮き彫りにします。
好意的な評価として最も多く挙がるのは、「生徒たちの学習意欲の高さと治安の良さ」です。4倍の倍率を突破してきた生徒が集まるため、授業中に私語で進行が妨げられるようなことは皆無であり、知的好奇心を互いに刺激し合える人間関係が形成されます。運動会や文化祭(表現祭)といった学校行事も生徒主導で運営され、教員が細かく介入しない「自主自律」のカルチャーが根付いています。
一方で、慎重に受け止めるべき課題として以下の3点が浮き彫りになっています。
- 通学アクセスのハードル:平塚駅から神奈川中央交通バスを利用して約15〜20分を要し、雨天時の朝のダイヤ乱れや混雑は生徒にとって日々の体力的な負担となります。県西や横浜方面から通う生徒は、往復で2〜3時間を要することも珍しくありません。
- 「放任主義」と学力格差(深海魚問題):私立進学校のように手取り足取り補習や小テストで管理するスタイルではないため、自己管理ができない生徒は成績が低迷しやすい傾向があります。学年内でトップ層と下位層の学力差が広がり、一度学習習慣が乱れると自力での巻き返しが困難になるリスクを孕んでいます。
- 大学受験対策の塾依存:学校の授業と課題の質は高いものの、東大や医学部、早慶上理を本気で狙う後期課程の生徒の多くは、高2〜高3段階で大手予備校(東進ハイスクール、河合塾、駿台予備校など)を併用しています。「公立中等に入れば完全に塾いらず」という言説は実態と乖離しているのが現実です。