ドラマ『孤独のグルメ』で主演の松重豊が演じる井之頭五郎のように、ふらりと路地裏に入り込み、直感だけで極上の店を引き当てる体験は、食べ歩きの醍醐味だ。神田の街には、まさに五郎が立ち止まり、「ふと腹が減った」と呟きそうな佇まいの店舗が今も数多く残されている。
昭和から令和へと時代が移り変わっても、飾らない暖簾と引き戸の奥には、変わらぬ人情と本物の味が待っている。一口食べた瞬間にどこか懐かしく、同時に新鮮な感動を与える一皿。テレビ画面越しに観ていたあの至福の表情が、自分自身の顔にも自然と浮かんでくるはずだ。