平成28年(2016年)は、日本の社会・文化・政治の各方面において歴史の転換点となる出来事が立て続けに発生した極めて密度の濃い1年でした。
自然災害の面では、4月14日および16日に熊本県熊本地方を震源とする熊本地震が発生しました。気象庁の観測史上初めて同一地域で最大震度7が2回観測され、熊本城の石垣崩落や阿蘇大橋の落橋など甚大な被害をもたらしました。当時の報道各社による現地取材や被災者手記には、繰り返す余震の恐怖と、全国からの支え合いによる復興への歩みが克明に刻まれています。
スポーツ界に目を向けると、夏に開催されたリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックで日本選手団が大躍進を遂げました。体操男子団体の悲願の金メダル獲得、陸上男子4×100mリレーでの歴史的銀メダル獲得など、当時の日本中がテレビ中継に釘付けとなり、史上最多となる41個のメダルを獲得しました。
さらに同年8月には、天皇陛下(現上皇さま)が「象徴としてのお務めについての生前退位の意向」をビデオメッセージとして公表され、後の元号「令和」への改元(2019年)につながる憲政史上極めて重要な転機となりました。また5月には、バラク・オバマ米大統領が現職米大統領として初めて被爆地・広島を訪問し、歴史的な演説を行ったことも世界的なニュースとなりました。
カルチャーシーンでは、新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』が興行収入250億円を突破する空前のメガヒットを記録し、庵野秀明総監督の『シン・ゴジラ』も大ヒット。スマートフォン向け位置情報ゲーム『Pokemon GO(ポケモンGO)』の日本配信開始により、街中にプレイヤーが溢れかえる社会現象が巻き起こりました。
一方で、芸能界では国民的アイドルグループSMAPの年内解散発表や、週刊誌報道を起点とした不倫騒動が連日ワイドショーを席巻し、「文春砲」という言葉が定着するなど、メディア環境の大きな変革を印象づけた年でもありました。