『3年B組金八先生』の撮影現場は、主演の武田鉄矢を中心に常に独特の緊張感が漂っていた。若手キャストたちに対して、武田は役者として、そして人生の先輩として本気でぶつかっていったという。セリフの言い回しや表情の作り方に至るまで、現場はまさに熱血授業の場そのものだった。
幼少期から音楽やストリートカルチャーに親しんでいた浅野忠信にとって、テレビドラマの古典的な型にはまる作業は戸惑いの連続でもあった。しかし、武田鉄矢をはじめとするベテラン陣の真剣勝負を目の当たりにしたことで、「表現する」ことの奥深さに気づかされたという。この現場での経験が、後に彼が型にとらわれない柔軟な演技スタイルを確立する大きな糧となったことは間違いない。