最も身近な例は漢字などの文字だが、ゲシュタルトの解体は五感のあらゆる領域で発生する。
薄暗い部屋で鏡の中の自分の顔を1分以上見つめ続ける実験をご存じだろうか。次第に自分の顔が他人のものに見えたり、歪んだ不気味な造形に思えてきたりする「鏡像ゲシュタルト崩壊」と呼ばれる現象だ。自分の目、鼻、口というパーツが独立し、自分という個のアイデンティティすら揺らぎ始める。
さらに、同じ単語を何度も声に出して繰り返すと意味が消失する「ゲシュタルト崩壊(意味飽和)」や、都市のグリッド模様、同一パターンのタイル壁を凝視した際に起きる視覚的混乱など、そのバリエーションは多岐にわたる。