本作の物語は、卒業式まであと10日と迫った3月1日、美術教師の柊一颯(菅田将暉)が受け持つ3年A組の生徒29人に対し、「今から皆さんは、人質です」と宣告し、教室を爆破して完全な密室に閉じ込める場面から始まります。警察に通報し、校舎内に爆破トラップを仕掛けた柊の目的はただ一つ、数か月前に自ら命を絶った全国区の水泳推薦生・景山澪奈(上白石萌歌)の「死の真相」を暴くことでした。
複雑に絡み合う人間関係のなかで、物語の狂言回しであり最大のキーパーソンとなるのが、澪奈の唯一無二の親友であり学級委員を務めていた茅野さくら(永野芽郁)です。さくらは澪奈がドーピング疑惑をかけられ孤立した際、周囲の空気に同調して彼女の手を振り払ってしまったという深い自責の念を抱えていました。
学園内には、クラスのボス的存在として君臨していた甲斐隼人(片寄涼太)や読者モデルの諏訪唯月(今田美桜)、冷静沈着な情報通の逢沢博己(萩原利久)、水泳部のライバルだった宇佐美香帆(川栄李奈)など、それぞれが澪奈の死に関わる「小さな悪意」や「弱さ」を抱えた生徒たちが揃っていました。柊は毎日夜8時に「澪奈を殺した犯人は誰か」という課題を生徒と警察、そしてネット社会へ提示し、不正解の場合は生徒を殺害すると宣告(実際には地下室に匿い偽装工作を実施)。10日間の極限状態を通じて、生徒一人ひとりの歪んだ仮面を剥ぎ取っていきました。