彼女の本名は渡我被身子(とが ひみこ)。裕福で一見平穏な家庭に生まれ育ちながら、彼女の幼少期はあまりにも過酷な精神的抑圧の連続でした。
彼女が発現した個性は、他者の血液を摂取することでその人物の姿へと姿を変える「変身」。この個性には、本能的に他者の血液を欲し、血を流す姿に愛情や性的興奮を覚えるという強烈な精神的欲求が組み込まれていました。幼い頃、傷ついたスズメの血を吸って無邪気に笑った彼女に対し、両親は強い恐怖と嫌悪感を露わにし、彼女の衝動を「異常」「化け物」として徹底的に押さえつけました。
個性のカウンセリングも功を奏さず、思春期を迎えるまで「普通の良い子」という仮面を被り続けた渡我被身子。しかし中学の卒業式当日、片思いをしていた男子生徒・斉藤くんをカッターナイフで切りつけ、ストローでその血を吸うという凶行に走ります。仮面が完全に剥がれ落ちた彼女はそのまま失踪し、連続失血死事件の指名手配犯として裏社会へと身を潜めていきました。