メディアやSNSで彼女のレシピがこれほどまでに支持される理由は、徹底した「引き算の美学」と「食品科学的根拠」にあります。従来の本格派ビリヤニ、とりわけインドのハイデラバードスタイルなどに代表される「カッチ式(生肉と半茹で米を重ねて密閉加熱する手法)」や「パッキ式(グレービー状に煮込んだ肉と米を合わせる手法)」は、熟練の火加減と専用鍋を必要としました。
20歳で初めてインドに渡航して以来、現地の食文化を深く研究してきた印度カリー子氏は、ビリヤニの本質である「香りの階層構造」を分解。家庭にある一般的な炊飯器の密閉性と熱対流に着目し、スパイスの揮発性アロマを米一粒一粒に閉じ込める革新的な炊飯器ビリヤニレシピを確立しました。
「スパイス料理は難しい」という心理的障壁を打ち破り、包丁と炊飯器さえあれば20分足らずの下ごしらえでレストラン級の味が完成する簡便さが、忙しい現代人のライフスタイルに完璧に合致したのです。