伝統の継承と革新の衝突は、ブランドの歴史をさらに魅力的なものにした。2000年代半ば、鬼才デザイナーのトム・ブラウンを迎え入れて始動した最高峰ライン「ブラック フリース(Black Fleece)」は、アパレル産業に強烈なインパクトを与えた。グレーを基調とした極端にショート丈のジャケットやハイウエストのパンツは、トラッドの概念を根底から覆した。この時期のタグは、赤・白・青のトリコロールフープが施された特別仕様であり、現在では入手困難なプレミアムアイテムとして高値で取引されている。
一方で、近年の過酷な市場環境やパンデミックの影響を受け、ブランドは2020年に経営破綻を経験した。その後、ブランド管理大手オーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)とスパーク・グループの合弁会社によって買収され、再生の道を歩み始める。伝統的な自社工場生産からのシフトやグローバルサプライチェーンの再編は、タグに記載される製造国表記や素材表示にも大きな変化をもたらした。