はしかウイルスに感染した場合、約10〜12日間の潜伏期間を経て発症します。この潜伏期間中は無症状ですが、発症直前から強い感染力を持つため、本人が気づかないうちに周囲へ広げてしまう危険を孕んでいます。
臨床経過は大きく「カタル期」「発疹期」「回復期」の3段階に分かれます。
初期にあたるカタル期(発症から3〜4日)は、38度前後の発熱、激しい咳、鼻水、目の充血や目やに(結膜炎症状)など、一般的な風邪やインフルエンザと極めてよく似た症状が現れます。この時期に決定的な診断の手がかりとなるのが、頬の内側の粘膜に現れる直径1ミリ程度の白い微小な斑点、通称「コプリック斑」です。発疹が出る前のこの段階が最も感染力が強いため、目やにや強い咳を伴う高熱が出た場合は口内を注意深く確認する必要があります。
続いて訪れる発疹期では、一度下がりかけた熱が再び39度以上の高熱となり、耳の後ろや首筋から始まって顔面、体幹、手足へと広がる特有の赤い発疹が現れます。発疹同士はやがて融合して網目状に広がり、皮膚全体が赤みを帯びます。高熱と発疹が3〜4日続いた後、解熱とともに発疹は色素沈着(茶色っぽい跡)を残して徐々に薄れ、回復期へと移行します。