調理における計量の混乱は、「体積(容量:mlやcc)」と「重量(重さ:g)」の混同から始まります。計量スプーンや計量カップが測っているのは、物質のかさを表す体積です。日本の調理基準において、大さじ1は「15ml(15cc)」、小さじ1は「5ml(5cc)」と厳密に規格化されています。
一方で、デジタルスケールなどで測定する「g(グラム)」は重さそのものを示します。水の場合、密度が「1ml=1g」であるため、大さじ1杯(15ml)は正確に15gとなります。しかし、水以外の調味料にはそれぞれ固有の比重(密度や空気の含有量)が存在します。
たとえば、粒と粒の間に空気を含みやすい上白糖や小麦粉は水よりも軽くなり、塩分や糖分が高密度で溶け込んでいる醤油やみりん、結晶が密集している食塩は水よりも重くなります。「大さじ1=15g」という思い込みを捨てることが、味付けのブレを根本から解消する第一歩となります。