知多蒸溜所の歩みは、1972年にサントリーと全農(全国農業協同組合連合会)グループの共同出資によって「サングレイン株式会社」が設立されたことから始まります。1973年に愛知県知多市で操業を開始して以来、半世紀以上にわたり日本の洋酒産業を陰で支え続けてきました。
同蒸溜所が誇る最大の技術革新は、連続式蒸溜機を用いた「原酒のつくり分け」です。一般的にグレーンウイスキーは効率重視で画一的なスピリッツを製造するものとされていましたが、知多蒸溜所では蒸溜塔の抜き取り段数を精緻に制御することにより、比類なき多様性を生み出しています。
- クリーンタイプ:極めて純度が高く、軽快ですっきりとした味わい。樽熟成による繊細な香味を引き立てる。
- ミディアムタイプ:穀物由来の穏やかな旨味とふくよかなコクを残した原酒。
- ヘビータイプ:2塔の蒸溜器を使用し、穀物の濃厚な甘みと重厚な香味が際立つ力強い原酒。
歴代のサントリーチーフブレンダーが「知多のグレーン原酒なくして『響』の崇高な調和はあり得ない」と証言するように、知多は単なる量産工場ではなく、極めて高度なクラフトマンシップが息づくイノベーションの拠点です。