「毎日お湯を入れ替えているのに、なぜ配管が汚れるのか」という疑問を抱く方は少なくありません。しかし、追いだき機能は浴槽内の湯を吸い込み、給湯器の熱交換器で温めて再び浴槽へ戻す「循環構造」を持っています。この循環過程で、人間の体から溶け出した皮脂、角質、石鹸カス、さらには入浴剤に含まれる油分や香料が配管の内壁に付着します。
これらが蓄積すると、雑菌が分泌する粘着性の分泌物によって保護された微生物の集合体、いわゆる「バイオフィルム(生物膜・ヌメリ)」が形成されます。一度バイオフィルムが完成してしまうと、通常の水流だけで洗い流すことは不可能です。
特に警戒すべきは、入浴施設や家庭用風呂で感染事例が報告される配管汚れとレジオネラ菌対策の重要性です。公衆衛生の調査データによると、35℃〜40℃前後のぬるま湯が滞留しやすい追いだき配管は、レジオネラ属菌にとって最も増殖に適した環境となります。バイオフィルムを栄養源にして増殖した菌を吸入すると、免疫力が低下している高齢者や乳幼児がレジオネラ肺炎などを引き起こすリスクが存在します。これが、定期的な風呂釜洗浄の頻度と理由として専門機関が月1回の除菌洗浄を強く推奨する決定的な根拠です。